Kei Nakahara @HULT San Francisco

December 2012

PM7J4708
毎年11月には“Movember”がアメリカ初め世界中で男たちの顔にヒゲを生やすことに責任を持つ。

このイベントは、特に前立腺癌を中心とする、男性の健康に対する認識を高めることを目的とし、同時に寄付をも募るというものだ。男たちは11月1日に完全にヒゲを剃り、1ヶ月間伸ばし続ける。そのヒゲを伸ばし続けるという努力に対し寄付を募るというわけだ(!?)。このイベントに参加した男たちはMo Brosと呼ばれ、11月30日には歩いたり、しゃべったりのビルボード(看板)になる。その行動や会話により、往々にして不問とされがちな男性特有の健康の問題に関する私的・公的会話を誘発させ、認識を高めさせようというのだ。月の終わりにはMo Brosとそのサポーターたちが、彼らの勇壮さと努力を褒め称えるMovemberパーティーを開く。去年、このイベントに世界中で84万4千人が参加し、$126.3 million USD(約107億円)の寄付を集めたのだ。

我らがHult San Fransciscoでは、多くの学生がこのイベントに参加し、ヒゲを伸ばした。そして11月終わりに募金活動のためにMovember Fashion Showを行った。俺のヒゲはあんまり伸びなかったが、Fashion showのモデルの1人として参加。Hultの学生がたくさん集まり、楽しくもあり成功したイベントとなった。そして$1,250の寄付が集まった。(寄付金は前立腺癌撲滅ファンデーションに贈られる
PM7J4665PM7J4661PM7J4657
PM7J4641PM7J4638PM7J4637PM7J4630PM7J4409PM7J4351PM7J4347DSC_5107DSC_3788DSC_3778DSC_3729DSC_3702






















 

ビル・クリントン元大統領によって私たちに課されたテーマ「世界的な飢餓を解決するための持続可能なビジネスモデル」が出来上がりました。
ここ一ヶ月間の集大成です。是非見てみてください。
DSC_3806 
http://vimeo.com/54038839

パスワードは英語でラウンドボタン 
DSC_3807 
Hult Prize に興味のある方はこちらもどうぞ。

4. 役員の同質性

日本企業の強いビジネスモデルとカルチャーは、その役員の団結力と同質性によるところが大きい。例えば、1980年代と1990年代における輸出企業のトップである松下電機(パナソニック)の役員は全て日本人であった。さらに、彼らは日本の4つの大学の卒業者ばかりであり、松下の中だけで仕事し続けて来た者ばかりである。

2009年におけるグローバル500の中に名を連ねる日本企業68社の内、ほぼ98%の役員が日本人である。日産とソニーだけが、この20年の間に日本人以外の役員を増やして来た。日産の多様性は、約10年前にフランスのルノーから資金注入を受けたことにより、外国人であるカルロス・ゴーンを営業部長として迎え、次の年には社長にせざるを得なかったことによる。同様にソニーの財務危機が、イギリス生まれのハワード・ストリンガーを社長にせざるを得なくした。彼はアメリカの映画や娯楽分野からの転身である。

これに比べ、ヨーロッパやアメリカの企業は役員の多様性という点では余程進んでいた。フランスの巨大リテール企業カルフールが1990年代に海外展開を始めた時、その経営陣のほとんどはフランス人であったが、まずスペイン、ブラジル、ポルトガル、アルゼンチンで多くの経験を積んだ。そして、その後、台湾、ギリシャ、中国、マレーシア、タイ、韓国、香港、シンガポール、インドネシア、そして日本へと進出していった。もちろん、カルフールはこれらの国々全てで成功を収めたわけではない。例えば日本からは手を引かなければならなかった。カルフールは海外展開しながら、地域毎の独自性を理解し、地域の指導者を育てることに努めた。それだけでなく、彼らを世界中に回し、本社にも採用した。2005年には社長のジョセ・ルイス・デュランを始め指導部の半数はフランス以外から採用された人たちだった。 デュランの後継者もスェーデン出身のLars Olofssonである。このような指導者の下でカルフールは1995年にグローバル500の中、95番から、2009年には25番となったのだ。

日本人以外の者が日本の協力的文化になじむ事は難しい。さらに、日本の役員や部長は特別の近しい関係を結び合う。これはその組織外にも及ぶことが多い。例えば、ミハエル・ウッドフォードは2011年にオリンパス工業の社長に就任した。そして、そのすぐ後に、イギリスの医療器機会社であるGyrus Groupを嘗て買収した時に、その仲介者に対し凡そ7億ドルもの謝礼を払っていたことを発見した。さらに調査したところ、他にも問題となる売買が見つかった。その結果、彼は経営自体に問題を指摘したことからクビになった。さらに、危険を感じる状態にまで至った。ウッドフォードは言う、「日本の相互依存システムは確かに第二次大戦後の日本経済に貢献したかもしれないが、公に他を批判してはいけないという不文律により、今の世界では反って害を与えるものである」と。

研究によれば、もしもその会社の国際的収入が全体の50%に近づき、かつその会社のトップリーダーの内、外人が占める割合が25%以下である場合には、厳しい国際競争に打ち勝つ力がなくなると思った方がいいという。ヨーロッパの大企業の場合には、その約20%が外国人で占められ、国際的収入はその40%である。アメリカの企業はこれを少し下まる。UNCTADのデータによれば、アメリカの大企業においては、平均してその50%が国際的収入だ。そして、そのトップ経営陣の内、約17%が外人である。しかし、多くは所謂2:1比例に従っている。例えば、IBMの国際収入は約60%で、トップ経営陣の内約30%が外人である。

多くのBRIC諸国の企業がこの経営陣の多様性に欠けている。中国の白物家電ジャイアンツのHaierはその海外セールを2015年には今の30%から60%に増やすことを目標としている。しかし、その経営陣は完全に中国人で占められている。こんな状態でその目標が達成されるかどうかは疑問と思われる。インドで3番目の売り上げを誇る石油化学会社のリライアンス工業は、その318億ドルの売り上げの内62%は輸出によるものである。この会社の13人の経営陣は全てインド人である。その内の3人は10年以上の外国経験があるのではあるが。ブラジルのValeはその収入の80%を外国から得ている。しかし、その従業員の80%は国内にいる。その経営陣の全てはブラジル人である。

このページのトップヘ